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住宅の価値と
快適さを守るために -
マンションを美しく、価値ある状態で保つためには、定期的なメンテナンスと修繕が欠かせません。このような修繕活動と資金計画を総合的に考えた長期修繕計画が、住宅の管理と運営を円滑に進めるために重要となります。
工事費用が足りない場合は、借入れや特別徴収により資金を調達しますが、金融機関選び、金利条件、返済計画についての総会での決定には、時間も労力もかかります。
事前に資金計画をしっかりと立てることで、住民の負担を減らし、安心を提供すると共に、修繕工事に集中できるようにすることが、最終的にはマンションの価値を守ることにつながります。
長期修繕計画の重要性
- 修繕に必要な費用の時期と額を事前に知ることができます。
- 年度ごとの工事内容を明確にすることで、適切な範囲で業者に見積もりを依頼しやすくなります。
- 修繕費の改訂に際して、具体的な根拠を示すことができるため、居住者の理解を得ることが容易になります。
- 必要な修繕作業と予算が明らかになるため、修繕積立金の計画を見直す根拠として役立ちます。
- これらはすべて、修繕委員の負担を軽減し、住民の満足度を高める効果があります。
上記のような修繕委員の労力軽減、
住民の納得感に繋がります。
長期修繕計画を立てる上での準備作業
データ収集
修繕工事や長期修繕計画、建物の調査を始める前に、竣工図を含む様々な情報の収集と整理が、コスト効率の良いマンション管理へと繋がります。必要な情報とその保管方法について解説します。
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確認済み書類と竣工図
建物の維持管理には欠かせない、重要なデータとなります。通常、これらは製本されており、各マンションが竣工時や引き渡し時に、管理人室などの現地で保管しています。建築・構造、設備、電気に関する2〜5種類の資料が管理室で保管されていることが多いです。紛失や資料の劣化には特に注意し、適切に保管してください。
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修繕履歴と記録
次回の修繕や長期修繕計画の策定に役立つデータとして、修繕が行われたマンションでは、修繕工事の完了報告書や工事の詳細（仕様）、見積書、各部位の保証期間を示す報告書などが保管されています。
これらの記録は、将来の修繕計画を考える上で不可欠な情報源になります。 -
過去の長期修繕計画書
以前に長期修繕計画が作成されていた場合、将来の工事予算や積立金の詳細が記載されています。
これらの情報は、当社が新たな長期修繕計画を提案する際に参考にさせていただくため、保管している場合は提供をお願いします。
紹介した重要な文書や図面は、通常、印刷された大判のものが多く、その保管は場所を取る上に、時間が経つと劣化する問題があります。
図面などは、一旦紛失すると再作成には莫大な費用がかかるため、これらの重要なデータのデジタル化を推奨します。
デジタル化により、膨大な情報をパソコンで簡単に検索できるようになり、大きな文書も必要に応じてA4サイズなどに縮小して印刷することが可能になります。
長期修繕計画書の見方
各年度の修繕工事計画
修繕が必要な各工事を時期と費用ごとに一覧表にしています。この表を参照することで、各年度に予定されている工事内容とその費用を把握できます。
工事の内容や修繕費用の詳細な根拠は、通常、付録や別紙として添付されています。これらの情報を確認することで、実際の修繕工事や計画の見直しに役立てることができます。根拠資料がなければ、具体的な修繕作業の実施や計画の再評価には使えません。
修繕費積立計画表
既存の修繕積立費が将来の修繕計画に対して十分かどうかを比較・検討するための表です。この表は、現在の修繕費用の見直しや、将来の計画策定のための重要な参考資料となります。
消費税や物価の変動率は通常、この計画には含まれていません。そのため、定期的な計画の見直しが必要になります。
定期的な計画更新の推奨
当社は、おおよそ5年ごとの周期で長期修繕計画の見直しを推奨しています。原油価格の上昇などに伴う物価の変動が、予定された工事のコストオーバーやメンテナンスのニーズ、修繕時期の変更などに影響を及ぼすことがあります。このため、最初の計画策定時から定期的な見直しや建物の診断結果を反映させた計画を立てることが重要です。
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