耐震診断・補強設計アイコン 耐震診断・補強設計

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耐震診断の必要性

日本では、特に昭和56年(1981年)以前に建てられた建物は、現代の建築基準に比べ耐震性が低いとされ、「旧耐震基準」と呼ばれています。これらは「既存不適格の建物」とも称されます。

1995年の阪神・淡路大震災では、新耐震基準に則って建てられた建物に比べ、旧耐震基準の建物の被害が顕著でした。このため、耐震改修促進法は1981年6月以前に建築された建物を耐震診断および改修の対象として指定しています。

耐震診断と補強改修工事のプロセス

耐震診断の詳細

部材寸法確認調査

耐震調査では、図面や構造計算書だけでなく、実際に建物が設計通りに施工されているかを確認します。

コンクリート圧縮強度試験

コンクリートの強度も、設計図書に記載された仕様に従って施工されているかを検証します。
この試験は、第三者機関である日本品質保証機構(JQA)によって行われ、正確な圧縮強度が測定されます。

配筋検査

構造体のコンクリートを部分的に取り除き、鉄筋の配置やコンクリートの被り厚さを確認します。

耐震改修の事例紹介

建物の概要

建物タイプ

階段室を備える5階建マンション

竣工年

昭和32年(診断時点で築45年)

耐震診断の結果

コンクリート強度: 不足(強度が基準値に達していない)、中性化: 進行中(コンクリートの中性化が進行しており、耐久性に影響)、柱の配筋: 不十分(鉄筋の本数が基準未満、帯筋の間隔が広い)、かぶり厚さ: 良好(コンクリートの保護層厚さは問題なし)
改修措置
建物の長手方向に耐震壁が欠けており、地震発生時に要求される耐力が不足していました。これを補強するため、バルコニーや一部の窓周りに鉄骨製のブレースを配置し、建物の耐震性を向上させました。ブレースの採用理由は、採光や通風への影響が最小限に抑えられ、建物全体の重量増加も少ないためです。

鉄骨ブレースによる補強案を提案

耐震指標の解説

耐震指標は、建物の柱や耐震壁の強度に、それぞれの靭性(たわみやすさ)に応じた係数をかけ合わせて算出した後、それを建物が受ける重量(建物の自重など)と、地震による揺れの影響を加味して調整した値で割ることで得られます。
形状が複雑であったり、建築年数が長い建物には、これらの数値を下げる低減係数が適用されます。
過去の地震被害のデータから、この指標が0.6未満の場合に大きな損害が発生しやすいとされ、そのため0.6を基準値として設定しています。

耐震補強工事に関する補助金・助成金の活用

耐震補強工事を行う際には、地域によって異なる補助金や助成金の制度を利用できる場合があります。
これらの制度を活用することで、工事費用の一部を補填することが可能です。
我々は、これらの補助金・助成金に関する最新の情報提供と申請支援も行います。